牡蠣の下ごしらえには5種類あり、塩水で洗う『ふり洗い』、塩水で洗ったあとに真水ですすぐ『ふり洗い+真水』、中華料理のテクニック『片栗粉洗い』、片栗粉と一緒に塩を入れて洗う力を高めた『片栗粉+塩洗い』、日本料理のテクニック『大根おろし洗い』です
生で牡蠣を食べる場合に「どれが一番おいしいの?」と疑問になったので試してみました
結論は
牡蠣のプリプリ感を味わいたい人は『片栗粉洗い』、汚れや牡蠣の”くさみ”が嫌な人は『大根おろし洗い』がオススメです
個人的には「①片栗粉で洗い」「②薬味として大根おろしを使う」と、両方の良いとこ取りができるので好きです
下ごしらえの3種類と特徴
1.塩水で洗う『ふり洗い』(定番)
特徴:基準となる洗い方、牡蠣を洗うと言えばコレ
2.ふり洗いのあとに真水ですすぐ『ふり洗い+真水』
特徴:1番カンタンな洗い方、真水に弱い腸炎ビブリオ菌による食中毒をある程度抑えることができる
3.片栗粉で洗う『片栗粉洗い』(中華料理のテクニック)
特徴:身がプリプリになる
4.片栗粉に塩を加えて洗浄力を高めた『片栗粉+塩洗い』
特徴:片栗粉洗いよりキレイに洗えると言われている
5.大根おろしとおろし汁で洗う『大根おろし洗い』(日本料理のテクニック)
特徴:1番キレイになる、牡蠣特有の”くさみ”をおさえれる
今回使う牡蠣は生食用のむき身です
宮城の知り合いの漁師さんから聞いた、生食用と加熱用の大きな違い
牡蠣が有名なサロマ湖は北海道の右上にあります
ここで紹介している情報は専門家・論文・調理師・牡蠣漁師さんなどを参考にしています
情報のソースを知りたい人はコチラ
洗い終わった牡蠣の比較
各2個ずつに分けて洗ったものを並べました
画像だと少しわかりにくいかも知れませんが、大根おろしが一番キレイになっています
それぞれのアップ画像をみたい人はコチラ
それではそれぞれの下ごしらえの方法を書いていきます
共通の下ごしらえ
袋から出して水を切ります
袋の水は捨てて大丈夫です
ふり洗い
ふり洗いは海水と同程度の3%塩水で洗う方法です
流れ
ザルに入れた牡蠣を3%塩水に沈め振って汚れを落とす→汚れた塩水を捨てて、3%塩水で2回くらいすすぐ→塩水の汚れが気にならなくなったら終わり
3%塩水を使う理由
3%塩水を作る目安
水の量 | 食塩の量 |
---|---|
300ml | 9.278グラム |
500ml | 15.46グラム |
1000ml | 30.93グラム |
メリット
・塩と水があればできるので手軽
デメリット
・ちゃんと汚れを落とそうとすると大変
ふり洗い+真水
ふり洗い+真水はふり洗いを1回したものを真水ですすぎ洗いする方法です
メリット
・塩と水があればできるので手軽
・牡蠣による主な食中毒菌の1つ腸炎ビブリオ菌による食中毒をある程度抑えることができる
(腸炎ビブリオ菌は真水に弱いため)
デメリット
・牡蠣に水が入ってしまい、食感や味が変わってしまう
(プリプリ感がなくなり、味も水っぽくて美味しくない)
片栗粉洗い
片栗粉洗いは、牡蠣に片栗粉をまぶし、片栗粉に汚れを吸着させて洗う方法です
流れ
片栗粉だけでやさしく混ぜる → 少し3%塩水を加えて片栗粉水にし、汚れを沈めるように混ぜる → 3%塩水ですすぎをする
メリット
・塩水だけを使用するよりキレイに洗うことができる
・プリプリの食感になる
デメリット
・片栗粉が必要
・手間が増える
片栗粉+塩洗い
片栗粉と一緒に塩を入れると、よりキレイに洗うことができると言われています
塩の量は、多くのサイトで牡蠣150グラムに対して小さじ1程度と紹介されています
メリット
・ふり洗いよりキレイに洗うことができる
デメリット
・片栗粉が必要
・手間が増える
・片栗粉洗いと大きな違いが感じられない
大根おろし洗い
大根おろし洗いは、大根の成分により科学的に汚れを落とす方法です
大根おろしに含まれているタンパク質分解酵素「プロテアーゼ」が、表面を溶かしながら汚れやヌメリを落としてくれるため、1番キレイに洗うことができます
流れ
牡蠣に大根おろしとおろし汁を入れる→大根おろしが灰色くらいになるくらいやさしく混ぜる→汚れた大根おろしと汁を捨てる→3%塩水ですすぎをする
さらに汚れを落とすだけではなく、「イソチオシアナート」による殺菌効果&「ジアスターゼ」による消化を助ける効果があります
メリット
・大根おろしに含まれているプロテアーゼにはタンパク質を分解する効果があり、効果的に汚れを落とすことができる
・大根おろしに含まれているイソチオシアナートに殺菌効果がある
・大根おろしに含まれているジアスターゼは消化を助ける効果がある
(ジアスターゼによる消化を助ける効果を得るには、洗うために使う大根おろしとは別に大根おろしを用意して一緒に食べる)
デメリット
・新鮮な大根おろしが必要
(殺菌効果は時間と共に低下します)
・手間が増える
洗ったあとの汚れの落ち具合アップ画像
洗ったあとの汚れの落ち具合を拡大画像で紹介します
まとめ
比較の食べ方は何もつけずにそのままいただきました
洗い方による味などの違い
洗い方 | 特徴 |
---|---|
ふり洗い | 味などの基準になる通常の洗い方 |
ふり洗い+真水 | 牡蠣が水っぽくて食感が良くない |
片栗粉洗い | 牡蠣がプリプリになる |
片栗粉+塩洗い | 牡蠣がプリプリになる、片栗粉洗いとの違いが感じられない |
大根おろし洗い | 一番キレイになる、臭みがなくなる、大根の風味がする |
生牡蠣好きの人は片栗粉洗いをすると、プリプリで濃厚な味を堪能できます
さすが世界三大料理の中華料理のテクニックです
牡蠣が苦手な人と一緒に食べる場合は大根おろし洗いがオススメです
牡蠣特有の磯っぽい臭みがかなり抑えられます
あっさりした料理などには絶対これ!
今回参考にさせていただいたサイト様
作家・料理家樋口直哉「牡蠣の洗い方比較~片栗粉と大根おろし~」
三重県で牡蠣の養殖・直販をしている志摩市社会福祉協議会のコラム「牡蠣下処理殻付き牡蠣をプリプリにする方法」
オイスターマイスター鷲見孝二「牡蠣が縮まない方法は?プロが教える牡蠣の下処理方法」
毎日放送「あなたの食べ方、そんしてるかも!冬の最強フード・大根のトクする食べ方はこの2つ」
生活環境研究所ブログ-食のあれこれ-「カキの豆知識(カキはなぜ塩水で洗う?)」
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